2012-02-10

[FILM]LONDON CINEMA

無職の学生は、なるべく家で映画を観るようにしています。
プロジェクターで真っ白の壁にうつして観てるのでそれなりですが、やっぱり映画は映画館で観るものだよね。
真っ暗な空間で、爆音で観る映画は格別。
そしてその時間をたくさんの人と共有しているかと思うと、それもまたいいよね。
映画はひとりでも楽しめるけど、知ってる人や知らない人と楽しんだ方がずっと心に刻まれる感じがして良いです。
芸術も文化も歴史も人も、それ単体で楽しむよりも、自分にしかできない方法でタイミングで繋げて呑み込む方がずっと楽しい。
ロンドンではそんなに多くの映画館に行ってるわけじゃないけど、良かったな〜と思うのをいくつかご紹介します。


2012/02/03 「The Artist」@Coronet Cinema
ノッティングヒルのコロネシネマは1898年に劇場としてオープンした老舗の映画館です。
駅を出てすぐに目に入る美しい外観は、まさにノッティングヒルの象徴!
1923年に劇場としての働きを終えて、完全に映画館として営業をするようになってからも内装はそのまま残したんだって。

座席の構成も劇場そのまま!もはや映画を観に来たのかなんなのかわかんなくなりそうだよね。
お値段もリーズナブルで、なんと火曜日は£3.5で観れちゃう!
いまは外壁の工事中でばさーっと隠れちゃってるから、写真はオフィシャルサイトから。
雰囲気のある映画館で、訪れるだけでほんのり心が満たされます。
わたしはここで、「The Artist」を観ました。
先日ゴールデングローブ賞をとったモノクロ&サイレントのフランス映画です。
無声映画からトーキーへと時代が移り変わって行く中で、葛藤する無声映画俳優のおはなし。
シンプルで素敵な映画でした。
時代が動いているときってたくさんの興奮や哀愁が入り交じっていて、それだけで美しい。
正直モノクロ&サイレントの目新しさが大分騒がれている要因になっているんじゃないかと思ったけど、クラシカルなスタイルはやっぱ普遍的に人の心をつかむよね。
変化に逆行して残っていくもの、人、スタイルっていうのは相応の理由があるよなと、コロネシネマでモノクロ&サイレントのアーティストに描かれた時代に翻弄される人間を観て思いました。
日本では4月公開だそうです。映画館で観た方がよい映画だとおもいまーす!お時間あればぜひ。


2012/02/09 「Salome」@Southbank Centre Queen Elizabeth Hall
Southbank Centreはテムズ川沿いにある映画やコンサートやダンスや詩など幅広く芸術を扱う複合施設です。
ロンドン初映画で、ロンドン映画祭の作品を観に来たのもここでした。
今度のロケ地もここの管轄の教会で、これからも色々とお世話になりそうな予感。
こんなに大々的な芸術支援施設って日本にあるのかなー。さすがロンドンと思いました。

Salomeは聖書などに登場するパレスチナの領主ヘロデの娘サロメを元にして描いた、1923年のモノクロ&サイレント映画。
今回Southbank Centreでは、この映画に音楽の生演奏をつけて上映していました。
真ん中にスクリーンがあって、四方に楽器スペースが設置されてます。
ドラム、タンバリン、カスタネット、ジャンベ、チベットのシンギングボウルなどの楽器でエキゾチックな感じの音をイケメンたちが奏でます。
劇場に入った瞬間にお香のにおいもして、なんだかすごく五感を刺激される空間でした。
映画自体もアメリカ映画の芸術レベルを向上させたいと美術監督・衣装デザイナーのNatacha Rambovaが手掛けた作品だけあって、モノクロなのに目を引くセットや衣装がすごく印象的。

サロメの頭やばい笑。きらきら。

この衣装すごく綺麗だった!モノクロに映えるよね。

この幅広コートも渋めでよかったです。

最後は孔雀ヘッド!んーーー衣装メインといっても過言ではない!
約90年たった今でも映画そのものに十分見応えがあるし、それに音楽とニオイをつけてやっちゃおうっていうのは素晴らしい心意気だと思います。
戯曲さの残る映画なので、映像に生演奏が付け足されたというよりも、生演奏が映像のナマモノ要素を引き出しているように見えました。

んー贅沢な時間でした。これがなんと£6!
ロンドンアートの一番のすごさはその値段ではないかしらと本気で思う。
それにしても、こんな風に映画を観せてくれるところが当たり前のように存在しているなんて!
五感で作品を楽しむ場所を提供するというのはわたしの夢です。
ロンドンに先を越されつつあります。がんばらな!


2011/10/14 「Shaun of the Dead」@Gallery Cafe
最後はロンドン来たばかりの頃に行ったベスナルグリーンのギャラリーカフェ!
毎月テーマを設けて、毎木曜日に上映会をしています。
10月のテーマはハロウィンで、会場もなんとなくハロウィンな空気。
カフェスペースの奥の扉から外にでて、庭っぽいところを越えてまた扉に入ると会場の教会にたどり着きます。
なんだか秘密基地っぽい感じですでに楽しい。
フリーのポップコーンと、カフェで頼んだホットチョコレートを飲みながら上映開始。
ソファや椅子がランダムに並べられて、周りからたくさん笑い声が聞こえる感じがホームシアターっぽくていい:)
終わったあとには映画のクイズ大会!観てればわかる簡単な問題ばかりだけど、勝ったグループにはシャンパンが!
手作りの登場キャラクターの名札が配られたりして、とてもアットホーム。
こちら名札をつけてポップコーンを食べるあやのさんちのくわみさん。
ロンドン来たばかりでこんなふうに映画を観られてとっても励まされたし、そうそう映画ってこんな感じに観るものよね〜!と思いました。
知らない人たちとだけど、みんなでごろごろ観る映画楽しかったな。
ギャラリーカフェはごはんもおいしいし、一人で長居しやすいので大好きです。
ミニライブみたいなのもやってるみたいだし、映画も毎週やってるし、そのうちまたふらっと行こうと思います。


ロンドンに来て約5ヶ月。
少しずつお気に入りの場所が増えてきていて幸せです。
最近は雪が降ったり積もったり、暗くて寒くて大変だけど。
はやく春になって外でごろごろしたりできるといいなーん。
日本も寒そうだけど。みなさんお元気ですかー?:)

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